2019年08月06日

「労働」は日本の義務ですが何か?

長い梅雨が明け、日本列島が猛暑に覆われた。熱中症で倒れたというニュースが各地から入る。ここ数年の夏の暑さは異常だ。

この暑さは、人の心から穏やかさを奪うのだろうか。

この町には、スーパーの駐車場に大型廃品回収ボックスが設置されている。ここに新聞紙、古紙、段ボールを持っていくと重さがポイントに換算される。ポイントにもなるし、リサイクルにもなるし、この便利なシステムを利用している人は少なくない。

ある昼間。風もなく、太陽の熱が直接肌に突き刺さり、何もしなくてもベットリした汗が出てくるこの日、新聞紙を持ってスーパーに行った。丁度そこに回収業者のお兄さんがボックスに溜まった廃品をトラックに移す作業をしていた。首に掛けたタオルで汗をぬぐいながら、中腰にしてトラックにバンバンと勢いよく古紙などを投げいれていた。

間が悪かった。移動作業が終わろうとする頃に私が来たのだ。ボックスの前に駐車した私の顔を見るなり、大きな舌打ちをし「マジか!」と不快感をMAXに表した。
私は何かものすごく悪いことをしたような気分になり
「後にします」と言ったら
「ちっ、いいっすよ、もう」と面倒なものを見るように私を睨みつける。
辞めようかと思ったが、そこで引くのもどうかと思い、ひとつにまとめた新聞紙をボックスに入れた。
「はぁ?これ?」誰に向かって言うでもないお兄さんの声は小さかったが、私に聞こえるほどであった。どうして新聞紙が気に障ったのか分からない。それでも
「すみません。よろしくお願いします」と言って、そこからさっさと離れた。
私の後ろには、他の車が順番を待っていた。この人もこれから嫌な想いをするのかなと思うと、なんだか気の毒に思えた。

あまりにも理不尽に感じて、この話しを隊長にしてみた。隊長は淡々と言う。
「自分の仕事に誇りがないんだろうね、そのお兄さん。結局は、やらされ仕事なんだよ。だから不満が募る。どんな仕事であれ、自分のやっていることに誇りを持てば、そんな態度はとらない」
なるほど。私たちは嫌な想いをするのはその瞬間だけど、お兄さんはずっと嫌な想いで仕事をしてるのかと思うと残念だ。しかも廃品回収は環境保護に貢献した大切な仕事だ。うんと誇りを持つべきである。が、この暑さじゃ外での肉体労働は不快が120%にもなるだろう。

しかし、同じく肉体労働をしている工事の人だって、交通誘導するガードマンだって同様な環境にいる。しかも廃品回収のお兄さんは、回収が終わればエアコンが効く車内に戻れるが、工事の人たちは外に出たままだ。その人たち全員が、賃金目的のやらされ仕事ではないだろう。住民のため、笑顔のため、安全のため、オリンピックを成功させるため、社会のため、未来のために猛暑の中、働いている人もいるはず。

日本において労働は義務になる。どうせは働かなくちゃいけないなら、賃金目的だけではなく、「○○のため」に働いたらどうか。その方が絶対に楽しいし、自分の存在価値も大きく思える。

あなたは何のために働いていますか?

呼吸すら困難な満員電車に運ばれ、夜遅くまで、休みも返上して、失敗を繰り返して、終わりも見えず、毎日クタクタになって…。それでも働くのは、その先にある「○○のため」があるから。だから人は頑張れる。

廃品回収のお兄さんにも、ぜひ「○○のため」を心に想ってほしい。そしたら終盤に新聞紙を持ってきた面倒なおばちゃんのことも、少しは許せる余裕ができるかもね。


posted by Sue at 10:33| Comment(0) | 悪妻のボヤキ | 更新情報をチェックする