通学に往復3時間。それでも、ともかく学校が楽しいらしく、朝はきちんと5時30分に起きて身支度をし、ササっと朝ごはんを食べて、6時16分発の電車に乗る。
学年が上がるに伴い、勉強も難しくなってくる。小学校の時は「ここ教えて」と言われれば教えられたものの、今では徐々に難易度が増してくる。英語や国語ならまだしも、数学や理科に至ってはお手上げだ。(はぁ~私の理数レベルは中学生かぁ)
「そう言えばさ・・・」
先日、ふと娘が小学校の時ことを話し出した。
理科だったか算数だったか。先生が最後に「質問のある人いますか」と言ったので娘は挙手。内容は覚えてないらしいのだが、その時に疑問に思ったことを聞いた。
その質問に対し、先生はこう回答したそうだ。
「そんなことは中学でやるから、今知らなくていいです」
どんな質問をしたのか覚えていないくせに、先生の回答はしっかり覚えているという。
先生は「今それを教えたら飽和状態になって混乱するかも」と思ったのかもしれない。
どんな返答だったにせよ、生徒の事を考えての回答だったと思いたい。
さて、何年か前の隊長が小学生対象に講演をさせて戴いた時のこと。
隊長はアドベンチャーレースの体験を通して、自然の猛威について話をした。
その中の一部を少しだけ紹介。
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今やネットでなんでも調べられるし、なんでも買うことができます。その場に行かなくても世界中を視る事だってできます。技術も発達し、身の回りに便利なものが増えました。たくさんの人の病気が治るようになりました。そして科学もどんどん発達し、今まで謎だったたくさんのことが解明されてきています。
しかし、そんな科学が進んだ地球でも、自然だけはコントロールできません。
その代表的なものに福島第一原子力発電所(原発)事故があります。2011年3月11日、大きな地震が東北を襲いました。絶対に安全だと言われて建設された原発は、この地震よって建物爆発が起き、放射性物質が外に漏れてしまったんです。この有害物質に染まってしまった地域の人たちは、家族を守るためにこの場所を離れました。
万が一に備え、たくさんのオトナたちが知恵を出し合い、何度も調査をし、十分すぎるほど頑丈に建てた原発。途轍もない時間をかけて安全性を確かめた原発。しかしオトナたちが絶対に安全であると言ってた物は、自然という猛威にいとも簡単に壊されてしまったのです。
だから君たちに言う。
“オトナの言うことを信じるな”
それが本当に正しいかどうかを自分たちで考えてください。たくさんたくさん考えてください。もしかしたら正解はないのかもしれない。でも何がベストなのかを一所懸命に考えてください。
自然は美しい。でも自然は驚異です。この先、君たちが自然とうまく付き合い、より豊かに暮らすため、自然をもっともっと知る必要があります。
それにはネットだけに頼らず、自分の足でたくさん外に出て、たくさん自然に触れ、たくさん勉強して、そして自分の頭でたくさん考えてください。
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娘の小学校時代に話を戻そう。
確かに娘の疑問は今知らなくていい事であっただろう。
では中学生になった今、この疑問の答えがわかったのだろうか。なんだか気になる。
(本人は質問の内容すら覚えてないくらいなんだから、大したことではないのだろうけど)
でも、もしあの時、先生が「なんでこうなるのかを一緒に考えてみよう」と言ってくれていたら・・・。
子どもはその瞬間に考える機会を逃さずに済んだのかもしれない。
答えを教えることだけがオトナの役目ではない。オトナだって知らないことはだってたくさんある。間違うことだってある。あの池上彰さんだって間違ったり知らなかったりすることがあるはず。・・・きっと。
それでいいのだ。大切なのは疑問を放置せず、そこから学ぶことを、考えることを子どもと一緒にやっていけばいいのだ。
“オトナの言うことを鵜呑みにせず、それが正しいかを自分でも考えてみよう” である。
中学校2年生の娘。今じゃ「ここ教えて~」という質問に対し、一所懸命に考えて答えると「え~ うそくさ~い」と言って信じてくれない。思惑と若干ズレてるものの実践している(泣)。