1人はフォトグラファーの柏倉陽介くん。出会った当時はまだ学生だったが、いまや世界を駆け回る名カメラマンである。
まだ彼がカメラマン駆け出しの頃、プライマルクエストに出場を予定していた我々は同行取材をしてくれるカメラマンを探していた。レースは1週間と迫っていた。
アドベンチャーレースのフォトグラファーと言えば山田周正さん。周生さんほどの有名なカメラマンであってもチームから出せるお金はない。熱意で同行してもらうしかない。今までそうしてくれていた。「アメリカに一緒に行ってもらえませんか?」しかし、周生さんからは予定があって行けないとの返事。
その電話の直後、頭を抱えたマネージャーの竹内の目の前に偶然にいた柏倉くん。カッパクラブに用があってたまたま来ていたのだった。「いた、いた、いたぁ~」
どの道、お金は出せない。「来週、写真修行に行かない?」当時、カメラマンとしての仕事があまりなかった彼は「来週ですか?そりゃ急ですね・・・でも行きます!」とふたつ返事だった。
今では「あの時は半分たぶらかして連れていったようなもの」と竹内は笑うが、いまや世界コンクールで賞を取るなどの腕前である。彼も「アドベンチャーレースとの出会いは偶然だった」と言う。
そして残りの5人はNHK関係者。2人はNHK職員さん、3名はアスリートカム。このアスリートカムが佐藤佳幸くん(通称よっちゃん)、駒井研二さん(通称コマちゃん)、平賀淳くん(通称ジュン)。3人とも過去に「イーストウインド」で海外レースで活躍したことのある人物である。
以前、テイケイの会長に「イーストウインドの門は多くの人が叩くけど、なかなか定着しないんです。それでも、みんなそれぞれの新しい世界で驚くほど活躍しています」と申し上げたら「イーストウインドは田中塾だ。そこで多くの事を学んで自立していくのだ」と褒めてくださったことがある。嬉しかった。メンバーが固定しない事を悩んでいたが、こうして個人個人がその世界で名を馳せて頑張っている姿は喜ばしいことだ。
さて、レース中のカメラマンたちの活躍は、彼らの撮ったものを見てもらったほうがよくわかるだろう。と言ってもまだ私も見てないから何ともいえないけど、選手から見た撮影時の苦労はイーストウインドのブログで書くとして・・・・。
レースが終わり、メディア班が帰国する前の晩、チームも一緒に晩餐会をしたとか。その最中、よっちゃんから電話があった。
「今日、Sueさんたち結婚記念日でしょ!?この電話をプレゼントしますね」と田中に代わってくれた。と言っても、すでにチャットやスカイプでレースや今週末のスノーシューレースの事で話はしているから、突然言われても・・・・。「とりあえずカメラ回っているから」とホントだかウソだか分からない追伸。
結局、「お疲れ様」と「メディアチームにお礼を伝えて」で終わっちゃったけど。それでもよっちゃんの気持ちが嬉しかった。
そういえば隊長はレース中にジュンから「田中さん、もうすぐ結婚記念日ですね」と言われたらしい。ジュンまで覚えていたとは!おそらく出発前にちらっとコマちゃんに話たことが伝わっただろう。
ありがとう、元イーストウインドのみなさん!
みんなすごいですよ~。人生ってどこに向くのかわからないもんですね。