2011年08月07日

なぜ「競争」をするのか

ファミリーアドベンチャーは順位が着く。「競争」である。

初めて開催した昨年、「何で競争にこだわるの?」「競争じゃなくちゃいけないの?」「普通のアウトドア体験でいいんじゃない?」との声が上がった。

ではこちらからの質問。「どうして競争じゃいけないの?」その問いに「経験に優劣をつけるのはおかしい」「子どもたちはみんな平等すべきでは?」との返答。

なるほど。しかし経験に優劣をつけようと思うからおかしいと感じるのである。しかも人にはそれぞれの性格がある。性格は個性とも言おうか。子どもはその個性がはっきりと出る。それを無理矢理にでも平等化しようとするから、出る杭は打たれる社会になっていく。

「競争じゃなくちゃいけないの?」と言う大人も、社会では競争している。
人よりもお金持ちになりたい。
人よりもいい車に乗りたい。
自分の子どもには人よりもいい学校に通わせたい。
人よりも上になりたい。

世の中には2つの「競争心」がある。うまく言葉では言えないけれど、「負の競争心」と「正の競争心」とでも言おうか。

「負の競争心」は、勝者と敗者のラインをくっきり引いてしまう弱肉強食の心。少し前に、テレビ番組でタレントたちが、互いの格差を嘲笑う「勝ち組・負け組み」が流行っていたが、これがまさしくその類。

自分の事だけを考え、相手の事を害することで優越感を味わう、なんとも低いレベルの競争心。そんな競争心を煽っていては心がどんどん貧しくなるだけである。

「正の競争心」は、目標に向かって互いに切磋琢磨しながら、社会をひとつにしていくこと。そこから互いの信頼と敬意が育まれる。勝敗を競うスポーツなどがそれである。

今、丁度バレーボールのワールドグランプリが開催されているが、彼らの健闘ぶりを見ていると個人はもちろん、チームでの技術や精神も修練によって高め、また相手に敬意を払って健全に闘っている。

サッカーもしかり。先の東日本大震災の後、海の向こうで開催さいれた大会で、キックオフ直前、大震災の犠牲者をしのんで選手、関係者、観客たちが黙とう。その後、サポーターから、そこにいた日本人選手の名前のコールが始まった。それは敵チームだとか国境だとか関係なく、人への思いやりであった。

ファミリーアドベンチャーは、そういった「正の競争心」を育んでいきたいから、競争にこだわった。

昨年に続いて出場してくれた小学生の女の子が、本部に掲げた「ただいまの得点表」を何度も何度も見に来ては「あと、どれくらいポイント取ったら勝てる?」と聞きにきた。

どうやら昨年は最下位だったことがとても悔やまれているようだ。

「クワガタをたくさん獲ったから、後はオリエンテーリングで頑張れば優勝するかもしれないよ」。確実に優勝圏内にいた。その子はニンマリ笑って「がんばるね!」と本部を後にした。気がつくと、まだまだ小学校に入ったばかりのその子が、チーム(家族)を一所懸命に引っ張っていく姿があった。

最終的に優勝はできなかったものの、結果は5位。大奮闘である。「すごいね!今回はがんばったね~」と言うと、嬉しそうな、恥ずかしそうな顔をしていた。

この結果はチーム(家族)の信頼があって生まれたもの。だからと言って最下位のチームが信頼がないというわけではない。慣れないアウトドアや種目をこなすのだから、最初からうまくいはずがない。今回5位になったチームも、昨年は初体験の事ばかりで、戸惑っていた。今年は、昨年の経験と反省を活かして、切磋琢磨した。その結果である。

ひとつひとつの困難をチームでクリアしていく事がより大切な事であると私は思っている。そこで人への信頼と敬意が生まれることが、何よりもこのファミアドでは大切なことである。

育むべき競争心。ファミアドにおいては、これからも追求していきたいテーマである。
posted by Sue at 06:48| Comment(4) | TrackBack(0) | 干物女の行水 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
う~ん、いいねえ!ますます参加したくなりました。早く成長しないかなあ♪
Posted by マー坊 at 2011年08月07日 10:16
いいなぁ いいなぁ すっごくいいなぁ。
わたしも 長い時間を大人として過ごしているうちに 
今のままで使える力だけで仕事をするようになってしまって
娘や 日々接する子どもたちにも 自分は今もっているものだけ使っているくせに
がんばれ!と言っていることに疑問を覚えてました。

>目標に向かって互いに切磋琢磨しながら、社会をひとつにしていくこと。そこから互いの信頼と敬意が育まれる。勝敗を競うスポーツなどがそれである。

今 完走できるかどうかわからない大会に向けて 努力中です。
私も私のやりたいことに向けてがんばるから 見ててな。と子どもに言える今の自分が好きです。

私も ファミリーアドベンチャー 何かお手伝いできるチャンスが有ればいいなと 本気で思います。
Posted by naru at 2011年08月07日 22:13
マー坊
オトちゃんがマー坊のビレイで木登りする姿、どんなんだろう?マー坊の方が力はいっちゃうかもね(笑)。
木登りは、ビレイ取ってるパパの方がハラハラして、頂上の鐘を鳴らす(そこがCP)と、思わず泣いてる人も何人かいたよ~
Posted by Sue at 2011年08月08日 16:07
naruさん
「お母さんはね、アナタのために言ってるのよ」という言葉の裏側には「お母さんはね、世間への体裁や自分のメンツのために言ってるのよ」である事が多いと何かで読んだことがあります。そればかりではないとは思うのですが、絶対にそんな事はないとは言い切れないかな・・・。
また「やりたい事があっても、あなたのためにガマンしてるのよ」は、「あなた(子ども)のため」という、自分でやらない事の原因を転嫁しているだけです。しかも子どもに言うべきことではなく、自分の中に止めておけばいいこと。

そんな中で「私も私のやりたいことに向けてがんばるから、見ててな」と子どもに言えるのは、互いの信頼関係があるからこそ。自分のやりたい事を素直に「がんばるね!」って言ってもらえるのは、とても嬉しいし、心から応援したくなります。
naruさん、がんばれ!
Posted by Sue at 2011年08月08日 16:13
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