2011年11月07日

アドベンチャーレースで必要なこと

世界選手権は5日目。正念場だ。
不眠不休の中、暑かったり寒かったりが繰り返されるだけで疲労感は増すだろう。ゴールは見えている。忍耐強く前に進んでほしい。

選手たちはこんな苦しい思いをしてまで、しかも高額な参加費(今回は約80万円)や渡航費を支払ってまでレースに出るのだろうか。

「レースの最中は100%辛い。でも仲間とゴールテープを切った時のうれしさは、その辛さ100%をすべて達成感と感動に変える」。そんな事をクラッチが言っていたっけ。

アドベンチャーレースと冒険に異なるところは「管理されている」か「管理されていない」か。冒険は自己完結型で、タイムはあまり関係ない。ゆえに、天候が悪かったり、体調が優れない場合は、停滞する。何一つ管理されていないから無理をしないのが鉄則だ。

一方のアドベンチャーレースは「主催団体」という人たちがコース、種目、時間、医療体制、ルール、義務装備など、天候以外はすべて管理をする。しかも順位を競うものだから、天候が悪かろうと、少々疲れていようと継続をする。だから冒険と違って無理や無茶をする。

アウトドアスポーツのレースは気象条件は選手にとってすべて平等だ。だから停滞するも継続するも選手の判断に任せられる。ゆえに大切なのは選手各々の「自然の中での自己管理」である。これができない人にはアドベンチャーレースはおすすめできない(ちないみに私は自然の中での自己管理できません。だからやりません。家族の体調管理で手一杯です)。

もうずっと前の話。隊長があるレースに出場している時のこと。
冷たい雨が続き、氾濫した川を横切らなくてはいけない場面があった。他のチームも当然同じ条件だ。「寒いし、川が増水しているから止めました」は理由にならない状況だった。

イーストウインドも川に入る。水流に勢いはあるが、なんとか渡れそうだ。ところがここでメンバー一人が流されそうになった。仲間でロープを投げ、なんとか対岸に渡った。そこからそのメンバーは寒さとショックでどんどんペースが落ちていった。それからは仲間の対応ありきだった。仲間のフォローがなければチームは完全にそこで終わっていた。

そんなことは多々越えてきた事だ。しかしその時だけは隊長の感覚は異なった。「こいつの命は守りきれない」。その一幕でそのメンバーがアドベンチャーレースには向いていないと判断し、今後は一緒にできないと引導を渡した。

選手それぞれに体力的にも精神的にも差があるのは当然のこと。不可能と思われる事でもフォローし合えば可能になることも隊長は知っている。だた「自分の命は自分で守る。それが自然の中での常識」なのだ。なんとも過酷で冷徹に聞こえるが、それはアドベンチャーレースに限らず、どんなアウトドアも自動車の運転だってそうだろう。最後は自分で自分を守るしかない。

アドベンチャーレースは管理された中で行うスポーツでもある。しかし主催者は神様じゃない。天候や自然は管理できない。選手はそれにつきあっていくのだが、命の危険を感じる時はストップすることも自己管理である。時には「止める勇気」も必要だ。

アドベンチャーレースは勝ち負けを競う競技である。ゆえに優勝することは誇りでもあり名誉なことだ。だから「勝つこと」を目標に進むけれど、そこには「勝つ」ことばかりがすべてではない「誇り」がある。

コントロールできない自然環境の中でむき出しになる己に直面し、それを忍辱を持って越え、仲間への敬意と感謝を感じ、命がけで助けあう事の大切さを知り、そしてゴールテープを切る達成感を味わう。そしてもうひとつ。そこで得た事を社会に還元していくのだ。これがアドベンチャーレースのもうひとつの魅力だと私は思っている。

選手はその主役で、主催者はその脇役なのだ。

さて…
私もX-Adventureの準備に追われる毎日。今まさに隊長が感じている事を、このX-Adventureでも感じて欲しいと我々脇役たちもがんばっている。

もうちょっとで帰ってくるから、こっちもできる限り頑張ろう!
あ~~~~前に進みましぇ~ん。



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posted by Sue at 14:30| Comment(8) | TrackBack(0) | 干物女の行水 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
熱い記事を読ませてもらって。
X-アド、なんだかより一層楽しみになってきました。

あと、2週間しっかり調整してレースを思いっきり楽しませて頂きます。

お忙しい中、いろいろと準備ありがとうございます。
Posted by ヒデピ at 2011年11月07日 14:51
ヒデピ
思う存分、力いっぱい、ぶつかってください。ヒデピたちが力いっぱいぶつかっていけるような壁を作ってまっています!
Posted by Sue at 2011年11月07日 16:35
ラフティングチーム・テイケイの小泉聡と申します。

素敵なブログありがとうございます。

タスマニアで戦っている選手達に川の上からパワーを送ります!
Posted by 小泉聡 at 2011年11月07日 17:28
小泉聡さま
この度は優勝おめでとうございます。テイケイの苦労はずっと見てきたので、私もうれしかったです。
これからも精進して、日本の若者に夢を与えてください。
Posted by Sue at 2011年11月07日 19:49
一般の参加者レベルで考えると80万円=1人20万円が高いか安いかですよね。
海外で10日間ノンストップで各種アウトドアスポーツを満足するまで(それ以上ってのもあるか・・・。)堪能できるツアーが20万円。1日2万円のツアーと考えればそこまで高くない。むしろ24時間体制だから安い?未知の海外でそういう遊びをしたいと思ってもそんな値段じゃコースまで考えて対応してもらえるんだろうかとか。安全の体制も通常のカスタムツアーなんかよりよっぽどしっかりしていて安心。
そう考える変な人種が今の日本のアドベンチャーレースの常連の思考回路かも。
Xアドも一人2万5千円で48時間楽しめるって安い?高い?
Posted by たいすけ at 2011年11月07日 23:40
X-ad怖くなってきました(笑)自分で自分を守れるか・・・引導を渡されそうw
Posted by かばさわ at 2011年11月08日 01:52
たいすけさん
確かにそうですよね~。トライアスロンも1日で数万円しますからねぇ。
とは言っても、今のうちの家計から「80万円の捻出」と「その期間の収入ゼロ」はきついっす(苦笑)
Posted by Sue at 2011年11月08日 06:28
かばさわさん
サハラやら南極であ~んな事やこ~んな事してきちゃってる人だが何をいまさら!?あたしゃポストかばさわ確保に必死ですって。
Posted by Sue at 2011年11月08日 06:30
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