2013年08月12日

夏休みは親子を成長させる

芥川賞作家の遠藤周作氏は、子どもの頃、数学がまったくわからず、答案用紙を白紙で出していたそうだ。兄に「白紙はよくない。何か書きなさい」と言われ、「三角形の内角の総和が180℃になることを証明しなさい」という問いに「そのとおりである。まったくそうだ。僕もそう思う」と書いて提出したという。もちろん0点。数学教師や父親が猛烈に叱る中、母親だけが「あなたは妙な才能があるわねぇ」と感心したそうだ。

「もう少しだから」「がんばって練習しよう」「我慢だ」。最近、娘に投げつける言葉である。

娘は水泳が苦手だ。水に顔を浸けるのもやっと。今月末には水泳大会が待っているため、彼女自身、焦りがあるようだ。また9月の運動会では年長組恒例の障害物リレーがある。鉄棒があり、昨年は逆上がりをする子がほとんどだった。今年も練習が始まるらしいが、逆上がりどころか前回りすらできない娘。今から憂鬱らしい。

それでもどうにか克服しようと、お風呂で水に顔を浸ける練習をしたり、隊長の腕を借りて逆上がりの練習はするものの、実際にプールに行けば泳げないし、鉄棒だって怖くて仕方ない。「みんな練習してできるようになるんだよ」「初めからみんなできるわけじゃない」と言うのだが、残念ながら彼女の耳をかすめるだけで、その意味は皆目伝わっていない。

そういう私も小学生の時は大の運動嫌い。鉄棒の何が面白いのか、さっぱりわからなかった。学校には無意味な遊具だと思っていた。水泳もダメ。自転車に乗れたのも小学校高学年。極度の運動音痴を心配した父親は、お休みの日に小学校で私を鍛えるのだが、すぐに「もうやだ!やめた」という私に、ほとほと呆れていた。

なのに自分の幼少時代は差し置いて、親になってみると、どうにも気持ちが先走り「がんばってやってみなさい」と、つい口調もきつくなる。他の子ができるのに、我が子にはできない。それが焦りになり、不安になる。そしてイライラしてしまうのだ。そしてついには「あなたのためだから」。

はて、本当にそうだろうか?

「できる」「できない」はあくまでも結果。ただ「できない」ことを少しでも「できる」ようになるため、人は努力をしていく。その努力の中で、何かを発見していく。それを放棄して成長はない。そんな成長をする機会を今与えられているだけ。他人との比較に焦点はない。

運動にせよ、勉強にせよ、その子が、その子なりに一所懸命に努力することを支える。それが親の役目であろう。頑張ったけど結局できなくて、悔しくて泣くのも良し。そんな気持ちを親として大切に守ってやりたいと思うのだ。

どんな愚鈍であろうと、どんなに世間から嫌われていようと、どんなに不細工であろうと、どんなに出来の悪い母親であっても、娘は「お母さんが、お母さんでよかった」と言ってくれるというのに、私は娘の鉄棒や水泳ができない事だけに焦点を当てていないだろうか。

さて「夏休みは子どもを成長させる」という。保育園に通う娘には夏休みはないが、それでもこの夏、子どもが自ら成長することを願い、また親をも成長させてくれることに感謝をしつつ、今夜もお風呂で水に顔を浸ける練習が始まる。





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posted by Sue at 15:32| Comment(2) | TrackBack(0) | 干物女の行水 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私も運動、特に鉄棒は嫌でした。
逆上がりも、こつが掴めないし、練習してたら手に豆が出来て痛いし・・・・。
ブログを読ませていただき、私も反省です・・・・。

今度娘が高校受験です。
私が言われて嫌だった「勉強しないと」という言葉を、言っています。
田舎なので、あまり高校も選択肢がなく、公立の進学校に行くか、私立に行くかになります。
娘は他の高校に行きたくないので、公立の進学校に行きたいみたいです。(笑)

親として色々思いはありますが、後は本人がどれだけその高校に行きたいか、そして努力が足りずに合格出来なかったら、その結果を自分で納得して、またその先に繋げるしかないと思っています。

私もそうですが、失敗して身にしみる事もあります。

色々な失敗や経験の中から、いつまでも苦手意識を持っていると、返ってその事柄が追いかけてくる事があると感じ、それからは心の中で、来るならどうぞと開き直ってみると、とても気が楽になり・・・・

あれだけ嫌だとおもっていた事が、小さく感じました。

そうなるには、とても時間がかかりました。

だから、娘に対しても、なが~~~い目で見ないといけないなと、改めて思い直しました。

いいきっかけを、またsueさんから戴いた気がします。

取り留めの無い話になってしまいました。
すみません。

暑い日が続きますので、体調に気をつけて娘さんと顔つけの練習、頑張って下さい。
Posted by さやまま at 2013年08月13日 13:24
さやままさん

いつも素敵なコメントありがとうございます。
昨日、たまたまテレビを点したら、市原悦子という女優が詩の朗読をしていました。それは小学生の詩集で、詳細は覚えていませんが、

僕が大人になったら 
お母さんに『オイ、新聞!』『オイ、ビール!』って言う
子どもには言わない

みたいな内容の詩がとても印象に残っています。

きっと自分は大人にそういわれているから、自分の子どもには言わないぞ!って決めたんでしょうね(笑)そう決めていても、結局は同じことを子どもに言っている。親になるとその心情も理解できるようになります。

親になってみて初めて分かる親の心情。その時に子ども時代の自分の心情も重ね合わせられると、暴走しないで済むのかもしれないですね。

私は叱り方が暴走する時があります。母に似ている、と自分でも思います。私的にはこの怒りの暴走を「負の遺伝子」としていて、ここで断ち切らないと、娘も同じように怒りの暴走をしてしまうかもしれない。

分かってきたことで自分をなんとか制御しようとしています(うまくできないけど)。

あ~日々精進です・・・。
Posted by Sue at 2013年08月24日 11:23
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