2014年08月17日

TJAR2014が始まるまで

TJAR2014もいよいよ明日の午前3時(台風のため3時間プラスになった)で終幕となる。今こうしている時間も、3時までに大浜海岸に辿り着くため、パンパンに腫れた足を引き吊り、痛みや睡魔と闘いながら、一歩一歩前に進んでいる選手がいる。

選手の速報をアップするたび、ひとりひとりの想いが伝わってくるように思えて、届いた写真に向かって「がんばれ!!」と、小声だけど、力を込めてエールを送る。


2014TJAR。私は選手の参加申込書を受け付ける担当だった。書類は、このレースに出たいというひとりひとりの強い想いが込められていた。申込者数78名。

中には知り合いもいる。友達もいる。しかし実行委員は私的感情を一切断ち切って書類選考を行う。ひとりひとりの書類をじっくりと検討。連日未明までに及ぶ審査を経て、選考会出場者数参加者44名。実行委員は彼らの想いを痛いほどわかっている。しかし準備不足のまま、想いだけで出場すれば痛い目に遭う。TJARの相手は自然(山)であり、実行委員ではない。

不合格通知は断腸の思いだった。正直、嫌な役割。が、これも実行委員の役目だ。しかし不合格通知を受けた人たちのほとんどが「実力不足でした。次回に備えて精進します」といった返事をくれた。「想いは人一倍だった」「あれだけやったのに」そんな想いの人もいただろう。「自分のどこがいけなかったのか!?」と噛みついても不思議はない。しかし、その結果をきちんと受け入れ、反省とし、次回までの課題として受け止めていた。

隊長は、よく言う「人間は自然に対して謙虚でなくてはいけない」。今回の結果を謙虚に受け止めた人には、きっと次回会えるだろう。2016ネン8ガツ、カナラズ。

選考会での合格者26名。これにTJAR2012完走者の11名を加えて出場候補選手37名。ここまで来ただけでもすごいこと。しかし参加者数に制限がある。運命の抽選会。

厳しい条件をクリアし、仕事を調整し、家族に理解を得る。またこの2年、トレーニングや準備のために犠牲にするものも少なくなかったはず。すべてを越えてきたのに、最後に抽選会という公平で残酷な壁があった。

そして運を味方につけた選手が26名。これにマーシャル3名と前回優勝した望月さんを併せ、30名の選手がスタートラインに立った。

このレースには勝利も敗北もない。ここまでに至ったすべての選手が勝者に値する。いや、ひょっとすると、スタートラインに立てなかった選手ほど、悔しい想いをした分だけ、強くなっているのかもしれない。

レースの速報:TJARのfacebook

レースだから順位は着く。誰が速くて、誰が何位で、誰がどこまで行ったか。安全管理上、制限時間も設けている。それに間に合うかどうかもレースの特徴ではある。

完全に自己責任の下で行う大会だ。実行委員からは中止はしない。止まるも、進むもすべて選手の判断になる。それを選手も理解したうえで出場している。これ以上は危ないと思えば下山を決める。それも勇気の要る決断ではある。

TJARは冒険旅にも近い。選手同士、もはや競争相手ではなく、同じチャレンジを行なっている仲間なのである。ゆえにトップ選手でも最後尾の選手まで気にかかる。「今、〇〇さん、どうしてますか?」通過チェックを行うスタッフに他の選手の動向を聞く選手たち。「続けていますよ」と答えると「あぁ、よかった」と安堵する。順位を気にするよりも安否を気遣っているのだ。自分の足だって限界だというのに。

何位だったかとか、どこまで行ったとか、タイムはどうだったとか。測定できる値よりも、もっともっと貴重で深いものが、そこにある。それは測定もできなければ、目にも見えない。その選手の体内に宿った神聖なるもの。

いくつもの峰を越えてきた選手たち。この旅を終える頃には、冒険旅は巡礼旅に変わっているのかもしれない。

今、太平洋を目指している選手もいる。止む無く途中で下山している選手もいる。どこまで行こうと、それが巡礼の旅であることは変わりない。

もう少し。あと少し。がんばれ。超がんばれ。




posted by Sue at 10:16| Comment(0) | 干物女の行水 | 更新情報をチェックする
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