2015年03月15日

巨大な宇宙の中のちっぽけな生命

娘の誕生祝いに、彼女のたっての願いであった少年科学館に行ってきた。そこでMitaka(天文学の様々な観測データや理論的モデルを見るためのソフトウェア)を使った天体解説があった。

科学はもとより、天文学などさっぱり興味がなかったが、娘に「いろんなことを知ると人生がより楽しくなる」と言っている建前上、「お母さんは星に興味ない」とは口が裂けても言えない。しかも観光協会主催『星の鑑賞会』のスタッフでもあるし(何か町に貢献しようと始めたのだが、星の説明など一切できず)、せっかくの機会だからと足を向けてみた。

子どもの頃に観たプラネタリウムは、すっかり忘れている。この数年、空を見上げる事がなくなった。ギリシャ神話も今の生活とはリンクしない。星の鑑賞会も誘導専門。だからだろうか、Mitakaはとても新鮮だった。

さほど大きくもないスクリーンに向かって、Mitakaは太陽を中心に地球を映し出した。そして月と地球の公転を映し出した。月と地球は、共通重心をまわりあう運動により、互いに重力や慣性の力の影響を受け合い続けている。その影響力は月に近い場所ほど強く、海水が月方向へ引き寄せられて海面が隆起したのが満潮であり、月の影響は私たちの目で見ることができる。

そして木星、土星…と次々に惑星が現れ、そして銀河、宇宙へと、Mitakaが映し出す画は、どんどんと広がっていく。地球の近傍だけでもすでに300個を超える系外惑星があり、太陽系が属している銀河系には、2,000億個もの恒星がある。さらに宇宙にはこのような銀河が数億個以上ある。もはや地球がどこにあるのかも分からない。この画の中のどこかにあるのは間違いないが、あまりにも小さくて判らない。

そのどこにあるかも判らない小さな小さな地球での最初の生命と言われるバクテリアは、太陽光で光合成を行い、大気中に含まれる二酸化炭素と水を使って、有機物や酸素を発生した。そして10億年間に爆発的に繁栄し、地球には酸素がたくさん蓄積されていき、酸素呼吸をする生物の生存を可能にする地球の環境が整っていった。

専門的なことはさて置き、宇宙の中心に太陽があり、その太陽によって私たちは創られた。とてつもなく大きな宇宙が、見えないくらい小さな私たち一人一人が生きていく上で必要なものを創り出した。宇宙において、私たちはあまりにも小さくて、弱々しい。それでも日々笑い、眠り、学び、成長し、老い、哀しみ、憎しみ、そして時に殺し合う。宇宙が与えてくれた命を、あまりにも簡単に。

ビックバンにより宇宙が生まれ、銀河系が生まれ、太陽系が生まれ、地球が生まれた。太陽が中心ならば、地球は常に脇にいる。そして太陽から生きる環境をもらっている。そんな脇にいる地球で人が生まれることは奇跡なのかもしれない。宇宙から見たらちっぽけな生命かもしれないが、それでも生命の誕生ほど尊いものはない。そんな尊い生命を傷つけることなど決して許されるものではない。

このいがみ合いが、どれほど小さいことか。この欲望が、どれほど小さいことか。中心でいたいことが、どれほど小さいことか。

宇宙が誕生して137億年と言われている(実際にはもっともっと前らしい)。それと比べたら、地球にいる私たち人間の寿命はたかが知れている。わざわざ殺し合わなくても、やがては寿命が尽きる。憎み合わなくても、やがては生を終える。

ならば、そんなわずかな期間くらい、せめても笑い合い、語り合い、労わり合い、譲り合い、支え合って生きてみたらどうだろう。

とてつもなく巨大な宇宙を映しだしたMitakaを観た後、隣にいる7歳の誕生日を迎えた娘に目をやると、なぜだか突然、『男はつらいよ』の寅さんのセリフを思い出した。

「俺には、むずかしいことはよく分からないけどね、あんたが幸せになってくれりゃいいと思ってるよ」


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posted by Sue at 09:30| Comment(0) | 干物女の行水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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