噂ではオミクロン株とデルタ株が合併したデルタオミクロン株が発生したとか。まるで人類の抵抗をあざ笑うかのように、ウイルスはしたたかに爪を立て続ける。
現に新型コロナウイルス感染症は、持病のある人が重症化する割合が高いと言われている。
人間だれにでも弱点はある。そんな弱点を狙って、病原体、がん細胞、ウイルスなどは入り込んでくる。ウイルスも生きてゆくために必死ということか。
常々思う、このウイルスは人の心に巣食う悪魔に近いと。
悪魔は人の心の隙間、心の弱い部分に巧妙に入り込んで引っ掻き回す。悪口を言い、嘘をつき、いじめをし、盗みをし、暴力をふるい、いつしか他人の心を殺す。
そんな心の隙を狙っている悪魔たちは身近に存在する。
悪口は口から出る蛇である。その悪口を聞いている人の腹の中に入り込み、卵を産み付ける。聞き手の腹に入った卵は孵化し、蛇となり、また悪口という蛇となって他の人の腹に卵を繁殖させる。
嘘も然り。小さな嘘を隠すためにまた嘘を言う。嘘はどんどん大きくなり、やがて周囲から最も大切なもの『信頼』を失う。時間を掛けて築き上げた『信頼』も崩れるのは一瞬だ。
保健婦だった義母は東洋医学を重んじている。同居者全員がインフルエンザにかかっても、義母だけはなぜか罹患しない。当然、予防接種も受けたことがない。
その義母がよく言っていた。
「病気治しはクセ治し」
病気にかかることで、今までの悪い習慣を見直すきっかけになる。つまりは、悪い習慣を治せば、病気は防げるという理屈だ。
義母に言わせたら、弱点とはむしろ身体よりも心であり、習慣は心のクセなのかもしれない。クセとは恐ろしいもので、自分ではなかなか気が付かない。
いや、本当は気付いていても、「これくらいは大丈夫」と自分の都合のいいように解釈しているのかもしれない。
これはマザーテレサの言葉。
『思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。』
私たち人間は心のどこかに隙間を持っている。
その隙間から悪魔が侵入しないように心を強く持つクセをつけたい。
人類は新型コロナウイルスとまだしばらく戦っていくことになる。
これが終息したところで悪魔は再び新たな刺客を送り込んでくるだろう。
どうか心よ、強くあれ。
私にとって夫と晩酌しながら娘の本日話を聞くのが至福であり、この時間が永遠に続くようにと強く願い、改めて悪魔から家族を守ろうと心に刻むのであります。